SIB全社での挑戦『THANKS Project』
皆さん、こんにちは。資生堂インタラクティブビューティー(SIB)で人事を担当しています、松本です。今回、SIBの新たなチャレンジとして実施した『THANKS Project』についてご紹介させて頂きます。お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
まず『THANKS Project』とは何か?についてお話しします。
SIBにおけるチャレンジ
SIBは2021年7月に設立した若い会社であり、非常に活気に溢れておりますが、社内の環境をより良くし、社員が気持ちよく働くためには、現状と向き合う必要がありました。
【SIBの現状】
・資生堂グループ全体が大きな変革期にあること
・各種プロジェクト対応により、各社員が非常にタフな環境にあること
・コロナ禍を経験し、多様な勤務が可能になったことで、face to faceでのコミュニケーションが当たり前ではなくなったこと
・会社の設立以来、組織変更に伴う人事異動や多くの外部採用の方に入社いただいたことで人の動きが激しいこと などなど・・・
このような状況に対して、組織の風土醸成を目標として、社内コミュニケーションの活性化という点で挑戦し実施しているのがこの『THANKS Project』です。
THANKS Projectのゴール
目標の達成に向けて、私たちが掲げた軸は大きく2つです。
①感謝、称賛を送り合い、社員同士がお互いを認め合う風土を醸成すること
②コミュニケーションの活性化、縦横連携を強化すること
当たり前のことかもしれませんが、よりシンプルな方が社内の皆さんに伝わりやすく、共感いただけるだろうと考え、このような内容としました。
さらに資生堂ならではの要素として、『TRUST8 Competency(以下T8C)の浸透』を取り入れました。
T8Cとは、私たち資生堂グループに所属するすべての社員が日々ともに仕事をするうえで大切にしている心構えを示したものであり、働く上での根幹とすべき理念です。このような激動の時代・環境の中で、目標の達成に向け、私たちが一丸となっていくためには、T8Cを道標とすることが良いと考えました。
THANKS Projectの取り組み内容
ここからは本Projectの取り組みについてご紹介します。本Projectではコミュニケーション活性化を実現すべく、システム(THANKS Cardシステム)の活用を活動の中心としています。このシステムは社内で内製したもので、コスト的にもありがたい存在です。(ありがとうございます、IT本部の河野さん)
物理的なツールではなく、システムを導入することで、社員同士が気軽に交流できることを目指しました。このシステムのキーワードは『Complete within 5 steps and 3 minutes』です。どんなに良いシステムであっても、使うことが億劫になってはいけないと考え、①システムにログイン、②感謝を贈る相手を選ぶ、③TRUST 8 Competencyを選ぶ、④感謝のメッセージを書く、⑤『送信』ボタンを押す、という5stepで実施することができ、その所要時間も3分程度で行えるような簡単な仕様にしました。
本来目指すべきは社員一人ひとりがその意味を理解し、行動できることですが、いきなりそのようなゴールを達成することは難しいです。まずはT8Cが目につく環境にすることが大切という考えを反映しています。
THANKS Systemの利用状況
実施前には、どれだけの社員が利用してくれるのだろう、という不安もありましたが、蓋を開けてみると、週平均70件以上の利用が見られました。そして最終的には全体の7割以上の社員にこのシステムに触れていただきました。(これは事務局としての予想を、いい意味で裏切ってくれた結果です。)
また、社内からの嬉しいコメントもありました。特に管理職の方からは『チームメンバーから感謝を伝えてもらえることは嬉しい』、『家や会社で褒められることがなかなかないので(笑)、改めて褒めてもらえると嬉しい』などなど・・・・生のポジティブな声というのは、わたしたち事務局にとっても活動の励みとなりました。
コメントの中身は業務に関連するもの、しないものと様々でしたが、まずはコミュニケーションが生まれることに意味があると考えていたので、どんな内容でも良しとしていました。ただ実態として、利用状況については、時期による波がありました。しかしマンネリ化を防ぐためには、定期的な周知が肝になると考え、社員の目につくところでアピールする、事務局から社員へ定期的な発信を行う、経営層からアピールしてもらう、といったアクションを通じて、影響はある程度抑えられたかなと考えています。
とはいえ、利用される方は毎週利用するが、使わない人は全く使わない。こちらは完全に2極化しているような印象を受けました。利用頻度が少ない方に状況をヒアリングすると『感謝を伝えること自体は会社で顔を合わせたときや、メールで返信するときにしている』『普段多用しているOutlookやTeamsとは別のアプリなので、習慣化できていない』『システムだとありがとうと言っておしまいで、その後のやり取りが続かないかなと思う』
といったフィードバックがありました。どれも確かに、、、というような内容です。何か更なる動機づけを行うような仕掛けが必要であり、これは今後の改善点と考えています。
活動初年の締めくくりと来季に向けて
2023年の締めくくりとして、12月に社内でクロージングイベントを行いました。(イベントというと大げさですが、本活動の振り返りと結果報告会のようなものです。)システムの利用状況や社内の傾向を伝えることで、改めて周知するとともに社内に感謝を伝える場として実施しました。
本取り組みのキモであるT8Cの選択状況を見てみると『Collaborate』が最も多く、当初我々が活性化したいと考えていたコミュニケーション・連携強化の一助にもなったのかなと思います。また受領件数の多かった方や最も送信・受信された方をT8Cごとに表彰し、全員で称賛しあえるような場を設けました。
そして経営層の高野さん、笹間さんからもコメントをいただき、この活動の意味や今後の期待値について、改めて社内に発信していただくことで、2023年の区切りとしました。
当たり前のことですが、風土の醸成や改革というのは、当然すぐに成し遂げられるものではありません。2023年はあくまで種まきの期間として位置付けましたので、2024年以降の本活動では、この種が芽吹き、より社員の皆さんに影響を与えられるようなものにしたいです。高野さんの野望は「国内外の資生堂グループ全体に当THANKS Projectを展開していくこと」のようですので、待ち受けるチャレンジにワクワク(戦々恐々)しながらも、力を尽くしていきたいと思います。