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リール再生回数1000万回越え!社員インフルエンサーのキャリアとSNS運用の裏側に迫る
資生堂インタラクティブビューティー(SIB)には、オムニPBP(パーソナルビューティーパートナー /デジタルに特化した美容部員)が所属しており、一人ひとりがSNSのアカウントも運用しながら活躍しています。
今回はインスタグラム(Instagram)フォロワー約14万人(2025年1月時点)のオムニPBPエリーさんのキャリアとSNS運用についてインタビューしました。
昨年9月には投稿したリール動画が1000万回超の再生を達成したエリーさん。多くのユーザーに刺さるコンテンツを日々生み出しています。
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◆エリー:2016年に資生堂の美容職として入社。デパートチャネルで美容部員として店頭活動に従事。(株)資生堂 アート&ヘリテージマネジメント部でポッドキャストの番組運営などを経て、2023年よりSIB DX本部 オムニエクスペリエンス推進部に所属し、オムニPBP活動に従事。
【インスタグラム】https://www.instagram.com/elly_beautypartner_shiseido
【X】https://twitter.com/elly_pbp
【TikTok】https://www.tiktok.com/@elly_pbp
学生時代は学校の先生を目指していた?!資生堂入社のきっかけは?
実は元々、学校の先生になろうと思っていたので、教員免許を取るため、大学生の時は多くの授業を取っていました。教育実習では、実際に生徒さんの前で授業もしました。
そんな時に偶然、資生堂の入社エントリーを募集していることを知ったのです。幼い頃に母や祖母が資生堂の化粧品を使っていたので憧れがありましたが、まさか自分が資生堂の『中の人』になれるわけがないと思っていたので、その気持ちを忘れていました。しかし、今ここでエントリーしなかったら後悔すると思い、エントリーを決めました。エントリー完了したのは締め切りの前日だったと思います(笑)最終的に資生堂の内定をいただき、もう一つの夢であった『学校の先生』という選択肢を捨て、入社を決意しました。
目の前に選択肢があった時に、『苦労するとしても後悔しない選択』をするというのは私のキャリアの中で1つのキーフレーズだと思います。
幼い頃から憧れだった資生堂へ!デパートでの活動
初めはPBPとしてデパートに配属されました。お客さまに合わせた提案をして喜んでいただいている様子を見ると、とてもやりがいを感じました。一方で、入社時から商品開発やマーケティングなどの業務にもとても興味があったため、入社してから4年経った時、社内公募に応募し、アート&ヘリテージマネジメント部に異動しました。
※アート&ヘリテージマネジメント部:当社の重要な資産である「アート&ヘリテージ」の価値伝達機能をグローバルレベルで強化し、全世界の事業価値創造へのさらなる活用を推進する目的で、2022年1月より新設。
コロナ禍でお客さまとの接点が激減、オンライン接点としてポッドキャスト番組運営に携わる
異動後の私のミッションは『資生堂の研究員と生活者の接点を増やす』ことでしたが、そのタイミングで新型コロナウイルスが流行し、外出が制限されました。物理的に外出ができない中で、お客さまとどのように接点を持てば良いのか、とても悩みました。
そんな時、研究所の方に声をかけてもらったのがポッドキャストの運営で、S/PARK Radio 運営担当として『美のひらめきと出会う場所~資生堂グローバルイノベーションセンター~』をテーマにポッドキャストの運営に携わる事になりました。
※美のひらめきと出会う場所~資生堂グローバルイノベーションセンター~
現在は活動休止中
https://stand.fm/channels/6166e6c9afa93b18fc989894
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これまでは店頭でお客さまと直接お話をしていただけに、オンライン上での接点を作るのは難しかった一方で、ポッドキャストでどのように化粧品の価値を伝えるか、とても考えさせられました。
特に印象的だったのは、ポッドキャストの番組運営をしている企業が参加するイベントに参加した時、リスナーと交流する場があったのですが、ポッドキャストの番組で顔を出していなかったのに声をかけてもらえたんです。ポッドキャストのMCとして出演しているうちに、自分の声のファンができていて、リアルに会う機会がなくてもお客さまと接点を持つことができる、デジタルの更なる可能性に気付いた瞬間です。
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デジタルへの可能性を感じて、オムニPBPへ
こうしてデジタルの可能性を感じ始めたタイミングで、ちょうどオムニPBP募集の案内があったため、迷わず応募しました。当時、オムニPBPとして活動しているメンバーのライブ配信やSNS投稿を見て、お客さまへのタッチアップができない中で、お客さまと新しい接点を持っていることに斬新さを感じていました。
(奥田)デジタル活動というと、オンライン上で自分が表に立って活動することに不安を感じるなど、自分軸で色々と考えてしまいそうな気がしますが、お客さまとの接点の持ち方に斬新さを感じたのですね!
ポッドキャスト番組に関わっていたこともあり、お客さまとの接点の持ち方に関してはとても興味がありましたし、新しい接点を作りたいと感じていたので、自然と自分の活動に対する不安というよりも、お客さまとの出会いに関心が向きました。
今はオムニPBPとして、SNS運用を中心にライブ配信やセミナー講師、オンラインカウンセリングなど、デジタル上で様々な活動に携わっています。
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バズるは『偶然』ではない。SNS運用はフォロワーに寄り添うことが重要
(奥田)昨年インスタグラムリール動画の1000万回再生達成しましたね。正直なところ驚きの気持ちが大きかったのでしょうか?
驚きというよりは、やっと多くの方にコンテンツが届けることができた!という安堵の気持ちのほうがが大きかったです。
投稿コンテンツを作る時に特定の投稿で再生回数を伸ばすことはあまり考えていません。むしろ1つ1つの投稿で、フォロワーにとって有益な情報になるように工夫しています。実は、投稿のたびにフォロワーにとって有益な情報になっただろうかとの反応がとても気になるんです!だから「いいね、保存、コメント」等、投稿に反応が多いと安堵します。
SNSは軌道に乗るまで時間がかかるものだと思っています。実際、私もフォロワーが同じペースで増えてきたわけではありません。
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SNSは『共感』に人が集まるものですよね。だからこそ、今のフォロワーが共感できる内容を地道に探究するしかないと思っています。
例えばこのリール動画は元々『秋メイク』をテーマに作成しようと思っていました。ただ多くのフォロワーはすでにメイク用品を多く持っています。年々短くなる秋にわざわざ価格の高い商品を買うより、もっと気軽に季節のメイクを楽しめる方が知りたいはずです。そこで『秋メイク』から『秋の買い足しコスメ』に変更しました。些細な変更かもしれませんが、表現1つ取ってもフォロワーに寄り添うことが大切だと思っています。
フォロワーが知りたいコンテンツを日々模索中…
普段投稿を作成する時は、どんなクリエイティブにするかよりも投稿内容の構成に時間をかけています。正しい情報をただ伝えるだけだと簡単にスクロールされてしまうので、『自分も当てはまるかも?』『まさに知りたかった!』と、ハッと手を止めてもらえる切り口や表現を考えるようにしています。普段からどういう切り口や表現がフォロワーに響くのか、様々な事例を手元にストックしています。
また、フォロワーが知りたいことに応えるためにも、フォロワーとのコミュニケーションは大事にしています。ストーリーの質問BOXを使って悩みを聞いたり、積極的にライブ配信をして、インタラクティブにやり取りをする時間を設けたりしています。そこで得たフォロワーの言葉を深堀し、ニーズやインサイトを考えるようにしています。
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今後のやりたいことは?
よりフォロワーとの繋がりが深くなる機会を作っていきたい
SNS運用は続けながら、リアルイベント等、フォロワーとの繋がりをより深くしていきたいです。直接お会いして、目の前のお客さまに喜んでもらえることは何よりも活力になります。
今はSNSを通じてスキンケアやメイクの提案をしていますが、将来的にはより広く美を起点とするライフスタイル提案もできるようなコンテンツを考えてきたいと思っています。
<取材手記>
エリーさんの言葉の端々で感じるのは『それはフォロワーに求められているのか』という自問の意識です。直接お客さまが見えなくても、常に相手に喜んでもらえているかという自問の意識はまさに資生堂美容部員としてプロ意識が根付いている証拠だと感じました。エリーさんの考えを見習い、私もお客さまに幸せを感じてもらうきっかけを提供できるよう精進していきたいです。
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資生堂インタラクティブビューティー株式会社 オムニエクスペリエンス推進部 オムニPBP1グループ所属。 2022年に新卒で資生堂に入社。「Beauty DNA Program」の立ち上げから運用に従事し、現在はオムニPBPのアクティビティの1つであるライブコマースを担当。週末はホットヨガに明け暮れている自称yogi。