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資生堂グループ 社内 IT 端末管理のあれこれ

皆さん、初めまして。 IT本部 デジタルプラットフォーム部 ユーザーサポートGの櫻井(曜)です。これまでnoteを通じて、Beauty DNA Program、オムニPBP(パーソナルビューティーパートナー/デジタルに特化した美容部員) 、ビューティーテック、FOCUS等、様々な社員がそれぞれの業務で取り組んでいる内容を紹介してきました。
他の会社さんもそうだと思いますが、その裏では社内システム運用チームや社内端末運用担当チームが縁の下の力持ちとして、日々、社員の業務を支えています。
今回は社内端末とライセンス管理を担当しているIT本部のメンバー(小職の同僚)に話を聞きました。これを機にぜひ裏方業務に思いを馳せていただけると嬉しいです。

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メンバーを紹介します!

IT本部 デジタルプラットフォーム部 ユーザーサポートグループのみなさん

写真の左から
中川さん(以下、中)
: IT本部 資生堂グループ向けの社内ヘルプデスクを統括
国本さん(以下、国):IT本部 社内PC、iPhone、タブレット等の運用管理を担当
南郷さん(以下、南):IT本部 資生堂グループ(日本)に向けたMicrosoft Officeライセンス運用管理を担当(Microsoft Copilotの導入も対応中)
櫻井(筆者:以下、櫻):IT本部 資生堂ジャパンのPBP(パーソナルビューティーパートナー/一般用語で店頭での業務に従事する美容部員のこと)向けタブレット端末の運用管理を担当
小倉さん(以下、小):IT本部 資生堂グループ全体のPC、iPhone、タブレット等の運用管理を担当

ここからは座談会形式でお伝えします!

資生堂の社内端末管理規模は万単位!

櫻:まず我々が管理している規模感を確認いたしましょう。それぞれのデバイスの規模感と、ライセンスの数を教えてもらえますか?

小:PCは13,000台、iPhoneは14,000台くらいです。

南:Microsoft 365のライセンスだと、国内総数は約20,000ライセンスくらいです。

櫻:資生堂グループで特徴的なのは、PBPにタブレット端末を貸与している点です。現在稼働しているのは約8,000台です。資生堂の店頭を覗いていただくと、PBPが応対時に使用している端末がこちらです。
店頭でのお客様応対はもちろん、営業担当や内勤担当とのコミュニケーション、トレーニング等の教育にも活用しています。

国:我々チームの管理ではありませんが、各店舗で使うタブレット端末もあります。こちらも店頭に置いてありますよ。

扱っている端末たち

櫻:具体的な業務を整理しましょうか。おそらくどの端末やライセンス管理にも共通なのが、ライフサイクル管理、契約(端末)更改、新規機能による利便性向上検証等かと思いますが、他にありますか?

小:一番重要なのが、モバイルデバイス管理(以下、MDM)ポリシーの設計です。組織としてセキュリティを高めることは必須ですから、何を許可して何を守るかを考えるのが重要かと思います。
本来的には、一元的に画一的なルールで運用したいのですが、資生堂グループはデパート、ドラッグストア、化粧品専門店等、販売チャネルも複数ありますし、グループを構成する関連会社も沢山あります。そのため業務の幅が広く色々な部署があり、業務の幅も広く、どうしても例外的な端末が出てきてしまいます。

櫻:社内ヘルプデスク(コールセンター)への問い合わせ件数などはどうですか?

中:おおよそ1日200件くらいです。季節変動などもありますが、些細なことから障害に関する問い合わせまで、様々です。

南:ライセンスも同じく、ライフサイクル管理と契約更新等が業務として挙げられます。

座談会の様子

コスト管理・セキュリティ・ユーザビリティが重要

櫻:端末管理やライセンス管理の重要性はどのような点だと思われますか?例えばですが ①コスト管理 ②セキュリティ ③ユーザビリティ の観点だといかがでしょう?
コスト管理の観点では、端末の運用費は台数も多いので、莫大な金額規模になりますね。経営視点では、無駄を省いて、適正な運用在庫を見極めるというのは重要だと思います。

南:適正な数の管理や不要ライセンスの棚卸等を定期的に行っていかないとコスト最適化にはならないですね。端末の運用費と同じく、ライセンス購入金額も莫大な金額となります。上司が「ライセンス購入時に契約書へサインするときは手が震える」と言っていたのも印象深いです。

小:セキュリティ観点では、制約がある中で、寄せられる要望にどう対応するか考えるのも業務の一つです。もちろん、情報セキュリティ部と共に検討する必要があります。ここは機械的に対応ができないところで、あるべき姿をもって判断する必要がある点かと思います。

また、新規の脅威も現れますし、エンドポイントセキュリティという視点で、安全性を高める施策も日々考えなければなりません。また、ユーザビリティの件では、ちょっと画面が変わっただけでも、すべてのユーザーに影響が出てきます。機種変更時やシステムに手を加える際には、徹底してユーザー業務に近い検証が必要ですね。また、社内周知と早期のキャッチアップ等でヘルプデスクに影響が出ないようなコントロールが求められると思います。

中:じゃないと、問い合わせが殺到し、ヘルプデスクがパンクしますからね。結果的には業務が止まってしまうという危険もあります。

利用者から返却された端末の検品中

端末管理は面白い、けどトラブルは大変・・・

櫻:端末の運用やライセンス運用の中でも、やりがいって、皆さんどのようなものがありますか?私の場合だと、今ちょうどPBP向けのタブレット端末更改を進めています。これを通じて、内勤の私たちからは見えていない実際の店頭でのオペレーション等を勉強させてもらえるのはやりがいがあります。利用者が多いので、トラブルのバリエーションも想像外ですし、頭を抱えることもありました。

PCやiPhoneなどは、毎年春に新入社員への使い方指導を毎年やっています。今年はPBPの新入社員研修にも使い方指導をしてきました。システムセキュリティやシステム利用を学ぶことって、この仕事をしていると割と当たり前ですが、入社してまだ1日、2日の新入社員は初めて学ぶことですから。入社直後の最初期にこの点指導できるのは、社会人として働く上でもいいタイミングだと思っています。準備は大変ですが、楽しい行事ではあります。

南:先日もトラブルがありましたが、突然機能がアップデートされて、それが思いもよらない問い合わせやトラブルになるという点は、クラウドサービスを利用する中では、致し方ない部分です。重要な変更もありますので、ずっとライセンスや機能について勉強し続けていかなければいけない点が大変ではあります。また、ライセンス管理の観点だと、職掌や業務内容によってもすごくバリエーションが多いので、必要な機能を必要なユーザーへ提供する組み合わせを考える点が難しく、運用上のポイントだと感じています。

小:直近の技術動向の変化に追従していく点や新技術について、意識、無意識にかかわらず、新情報に触れて検証をしていく等は、業務上面白い点です。各ベンダー社からの協力もあり、様々な最新情報が入ってくるというのは、自分の知識を常にアップデートできる良い点かと思います。

中:ヘルプデスクはやっぱり「ありがとう」をいただける立場であることがやりがいです。社内向けのヘルプデスクが複数ありますが、そこに定期的に訪問し、オペレーターのみなさんに日頃の苦労に関して、感謝を伝えることも重要な業務です。

国:一定数の問い合わせはヘルプデスクで解決することが多いですが、我々でないと分からない部分もあり、そのサポートを行うことは多いです。他の部門の方から感謝の言葉を多くいただいています。これは他のスタッフ部門にはない特徴かもしれません。

櫻:確かに!感謝をお互いに伝えるのは、資生堂グループの良い習慣かと思います。この前もネットワークが上手く繋がらないというオフィスに直接伺ったことがありますが、救世主がきた!みたいな扱いをされて、逆に驚きました。
「我々にできることも限られているし、そんなに万能じゃないのだけど・・・」と思っているので・・・。ですが、実際に顔を見て説明したことで、その事業所の方たちと良い関係を構築できたのは良かったと思っています。

社内IT運用管理のこれから

櫻:端末やライセンス運用管理の将来的な展望ってどう思いますか?今は生成AIが話題になっていますし、AIの活用で生産性向上できないか?も社内ではホットトピックですよね。

南:やっぱり生成AIがあっても、ユーザーのやりたいことと我々グループ会社の環境とのすり合わせや調整という立場では必要な業務なのかもしれません。

小:生成AIなどもまだまだ浸透しているとは言えない状況ですし、これからという印象はあります。PCも最近はMicrosoft社がAIを搭載したPCを発表しました。実際にビジネス利用が可能なのか?については興味があります。

南:Microsoft365製品の機能や性能が上がってきているので、もっとユーザーが使いやすくしていく、フォローアップしてユーザー側の知識を増やす、みたいなことは我々の活動には必要だと思います。生産性向上も求められている時代ではありますから、機能を使い倒すということも重要だと思います。

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おわりに

いかがでしょうか。少しだけではありますが、運用現場の雰囲気を感じていただけましたでしょうか。毎日ドラマが起きたりしていますが、縁の下の力持ちとして、日々資生堂グループの業務運営を進めていきたいと思います!

筆者

櫻井曜子(さくらいようこ)

資生堂インタラクティブビューティー株式会社 IT本部所属。大学卒業後、生命保険会社系SIerに入社し、サーバー等インフラやセキュリティを担当。新規子会社立ち上げ業務等に携わり、縁あって資生堂グループへ入社。

2023年1月から資生堂インタラクティブビューティー株式会社へ出向。PBP向けタブレット端末管理以外にも社内システムを担当しているが、基本は社内ITのよろず相談窓口を担当。2024年3月に、2年間業務後に通っていた専門職大学院(ビジネススクール)を修了し、経営管理修士(専門職)取得。最近の興味は、中小企業診断士の勉強と自転車(クロスバイク等)に乗ること。