VIVA TECHNOLOGY 2024参加レポート 🔥パリは燃えてました!
皆さん、こんにちは!資生堂インタラクティブビューティー(SIB)で、スマホ肌分析やバーチャルメイクアップ、肌のDNA検査などのビューティーテクノロジー開発を担当している吉川です。
5月末にフランスのパリで行われたヨーロッパ最大のスタートアップとテクノロジーのイベント「VIVA TECHNOLOGY」に参加してきましたので、その様子をレポートします。とにかくパリは燃えてました!熱かったです!🔥
VIVA TECHNOLOGYとは?
「VIVA TECHNOLOGY」とは2016年から開催されているスタートアップとテクノロジーのイベント(展示会)です。「フランス・パリ」と「テクノロジー」があまりピンとこないかもしれませんが、アメリカや中国に後れを取るまいと、フランス政府の肝いりで立ち上げられたイベントとのことで、2024年の参加者は16.5万人を超え、アメリカ・ラスベガスで開催されるCESの参加者(2024年は13.8万人)を凌ぐ規模に成長しました。
会場はパリ南西の端にある国際展示場。パリ中心部からはそれなりに離れており、皆さんが想像するパリとは少し様相が違います。
VIVA TECHNOLOGYの特徴
大企業が自らの製品をアピールすることが多いCESと比べ、スタートアップや今後が期待されるイノベーションがメインの展示会です。
パリで開催されることもあり、ヨーロッパ各国からの参加はもちろん、地理的・歴史的につながりが深いアフリカや中東からの参加も目立ちました。
いざ会場へ
まず、入場口に行列ができていて、入場までに20分ほどかかりました。そして会場に入ると、とにかく人の数がすごい!人気ブースは満員電車状態で、人をかき分けて進まなければならないほど混み合っていました。
スタートアップはここが売り込み時とばかりに、自分たちのテクノロジーを熱く語る、こちらもいろいろ聞きたいから熱く質問する。みんなパリ(の端っこ)で、燃えています!だからとにかく暑い!
ちなみにコミュニケーションはすべて英語ですが、英語がネイティブの参加者はほぼいなかったので、それほど早口でもなく(癖はありますが)、あまり英語ができない私でも問題はありませんでした。
フランスが誇る二大Beauty Giant
会場の中心、一番目立つ場所に大きなブースを構えるのが、フランスが誇る二大Beauty GiantのロレアルとLVMHです。2社ともに大人気のブースで、VIVA TECHNOLOGYを引っ張る2トップという印象を受けましたが、2社の展示方針は明確に異なっていました。
ロレアル
ロレアルは自社のデジタルの取組みを積極的にアピールしていました。一番大きなSTAGE ONEでの講演に加え、ブースでは、これまで受賞したデジタル関連のAward一覧、肌分析機器や生成AIの体験、CESのKeynoteで発表したAIコンシェルジュ「Beauty Genius」の体験などが用意されていました。体験コーナーには行列ができ、体験するまでに20分ほど並ぶ必要がありました。
また会場や最寄り駅もジャックしていて、参加者には「ロレアル」はテクノロジー企業である」という印象が残ったと思います。
LVMH
一方、LVMHは所有するブランドの展示ブース以外に、LVMH Innovation Awardのファイナリストに選ばれたスタートアップにもブースを提供し、自社での活用だけでなく、幅広くビジネス展開をサポートしていました。
ちなみにファイナリストには日本の企業も2社選ばれていました。もみ殻から化粧品原料でもあるシリカを高効率で精製する技術を持つ「ジカンテクノ株式会社」と、障がいをもつアーティストの作品をプロデュースする「株式会社ヘラルボニー」です。(ヘラルボニーによるアートは以前、資生堂の汐留ビルに展示していました)
ヘラルボニーはカテゴリ賞である「Employee Experience, Diversity & Inclusion」を受賞しています!おめでとうございます!
LVMH Innovation AwardのGrand Prizeは、中国の「FancyTech」が受賞しました。FancyTechは生成AIを活用し、EC用の商品紹介動画を簡単かつ、ハイクオリティに作成するプラットフォームを提供するスタートアップです。
これまで生成AIの活用と言えば、画像や動画の生成など「とりあえずできるからやってみた」という内容が多く、ビジネスを考えると「それで…」という内容が多いように感じていましたが、生成AIが「主語」でなくなり、ビジネスのソリューションになりつつある印象を受けました。
ファイナリストたちの今後の発展が楽しみです。
JAPAN パビリオン
今年、日本は"Country of the Year"の特別招待国枠に選定されたこともあり、ジェトロがJAPANパビリオンを設置していました。多くのスタートアップが自社のテクノロジーやサービスを熱く語っていました。
他に日本企業は3社ほど出展していましたが、決して多いとは言えず、もう少し日本のテクノロジーをアピールしたいところです。
インクルージョンとサステナビリティ
インクルージョンとサステナビリティは、日本でも取組みが活発になってきていますが、ヨーロッパはさらに進んでいるように感じました。ロレアルも「だれも取り残さないためのテクノロジー」というコンセプトを打ち出していますし、デジタル白杖や義足、義手、パワーアシストスーツなどの展示が目につきました。
また、海洋有機ゴミ(食品ゴミ)から生分解性ポリマーを精製するスタートアップの展示もありました。ゴミをどうするか?ではなく、そもそも作り出さないという考え方です。このような「非デジタルのテクノロジー」も数多く見られました。
まとめ🔥
アメリカのオースティンで開催されているSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に参加して以来の海外展示会への参加でしたが、その時と同じように、各企業の「テクノロジーで世界を変えていくんだ!」という熱い思いをひたすら浴び、久々に興奮しました。そして自分は何かできているのか?という焦りも感じました。
パリは熱く燃えていました!🔥 SIBも負けてられないです!