【SIB副業事情/第1回】副業できます!やってます!~講演・原稿執筆~
皆さん、こんにちは!資生堂インタラクティブビューティー(SIB)で、スマホ肌分析やバーチャルメイクアップ、肌のDNA検査などのビューティーテクノロジー開発を担当している吉川です。
SIBでは副業が可能です。もちろんいくつかの条件や制約はありますが、この制度を活用し、本業以外の業務を行っている社員がおり、プロフェッショナル人材が多く活躍するSIBの一つの特徴とも言えます。私もそのうちの一人で、今回は私の副業の内容、きっかけ、メリット/デメリットなどをお伝えしようと思います。
副業の内容
私の副業は主に講演や原稿の執筆で、以下の領域が対象です。
①専門である色彩工学や画像工学、特に肌や化粧品の色彩計測・分析
②色彩工学・画像工学を活用したデジタルコンテンツ開発
講演は学会や協会などから依頼されることが多いですが、大学の授業としてお話ししたこともあります。原稿も学会誌や学術書が多いですね。
副業のきっかけと本業とのバランス
私の場合、副業を始めるきっかけとなったのは、一緒にお仕事をした方から講演や執筆依頼をいただくようになったことです。お声掛けをいただいて、講演したり、執筆したりしているうちに、さらにそれらを見た方から新たなお声掛けをいただく・・・というように広がっていきました。
基本的にはお声掛けいただいたら、なるべく引き受けるようにします。「スキルや知識的に無理!」「本業が忙しくて期待されるクオリティに届かない!」という場合はもちろんお断りしますが、後述するように、引き受けることで得るものも多いですし、新たな出会いや副業に繋がっていくので自身の成長にもプラスになっています。
講演資料を作ったり、原稿を書いたりするのは休日の朝8~10時が多く、ゴールデンウイーク・夏季休暇・年末年始などの長期休暇に一気に仕上げます。実は、以前に博士号を取るために社会人学生をやっており、その時にこのやり方が一番効率よく、精神的にも安定し、本業に影響しないことを学びました。
副業する理由とこだわり
副業する理由は人によってさまざまだと思います。スキルアップ、人脈作り、視野を広げる、特技を生かす、副収入を得る・・・などなど。
私の場合は、大まかにはスキルアップに該当すると思います。講演するからには間違ったことは言えません。たとえ得意な領域であっても、普段、曖昧になったままの箇所もあるので、講演の前にはこういうところを調べまくって潰していきます。
原稿を書く時はさらに慎重に行います。特に学会誌の場合は、文章がデジタル上に未来永劫残り、世界中どこからでもアクセス可能となるので、間違ったことは書けません(永遠に恥をさらすことになる)。
例を挙げますと、学会誌のコンテンツは次のようにデジタル化&データベース化されて、誰でも閲覧可能となります(掲載直後は有償)。
そして、日本の学会誌だとしても、タイトルと要旨は英語でも書いているので、世界中から閲覧できます(実際に海外から連絡が来たりします)。
DX in Cosmetic Color (jst.go.jp)
また、読む側が分かりやすいよう内容を整理・体系化し、ストーリーをつけて書くことを心掛けています。これは普段の業務にも役立つと思います。
このようにクオリティにはこだわって、必ず期待されたレベル以上のものを納品する、そうすることで、次の依頼に繋がっていくのでは?と考えています。
副業をやってよかったこと
私の副業先は学会や発行部数が比較的少ない学術書の原稿が多いので、報酬は決して高くなく、下手すると時給換算で1,000円程度の場合もあります(私がこだわって時間をかけすぎているのも原因)。また、ボランティア(無償で)としてやることもあります。
しかし、目的を副収入ではなく、スキルアップに置いていること、私の講演や原稿がヒントとなり、さらなる技術発展や誰かの学びに繋がれば何よりも嬉しいと思い、引き受けています。
そしてアンケートで高評価を得たときや、参加・閲覧した方から「面白かった」「参考になった」と直接言ってもらえるのが一番嬉しいです!
嬉しいニュース
そうやって地道に副業している中、嬉しいニュースが飛び込んできました。以前に色材協会誌という学会誌に書いた「化粧品の色彩とDX」という解説記事がAwardを受賞!!以下、記事の内容です。
「本稿では日本における化粧品のDX(Digital Transformation)について,とくに色彩領域にフォーカスして,具体的な取組みを紹介しながら解説する。コロナ禍によって,それまであまり進んでいなかった化粧品市場のDXが急激に推進された。その結果,オンラインカウンセリングやバーチャルメイクアップなど,店舗におけるフィジカル体験のデジタル化に加え,メタバースでのアバター用バーチャルメイクアップなど,デジタルをオリジンとするまったく新しい体験も生み出されている。今後,フィジカルとデジタルがさらに融合し,そこでの体験やデータがリンクすることでトータルとしての顧客体験が向上していくことが,化粧品のDXの最終ゴールである。」
受賞したのは、「2023 JSCM Most Accessed Review Award」で、色材協会誌の解説論文、総説等の中で、前年度の期間中にアクセス数が最も多かったものに対して贈られるものです。
このAwardで興味深いのは、ネット上のアクセス数という「データ」で決定される極めて客観的な審査方法であることです。読んだ後の満足度までは分かりませんが、少なくとも多くの方に興味を持ってもらい、内容を届けることができたことは、喜ばしいことであり、苦労して執筆した甲斐がありました。
SIBには他にも様々な副業を行っている社員がいますので、続編をご期待ください!